中国では、2024年6月から国家衛生健康委員会など16部門が主導する「体重管理年」キャンペーンがスタートし、「国家がダイエットを呼びかける」ことが大きな話題となっています。
『新華網』が報じたところによると、肥満対策の一環として注目を集めているのが、糖尿病治療薬をベースとした減量薬です。
これらの薬は血糖値のコントロールだけでなく、体重減少の効果もあることから、医療現場でも注目度が高まっています。
中国国内ではすでに5種類の減量薬が正式に認可されており、これにより超重や肥満に悩む人々にとって医薬品によるダイエットという新たな選択肢が広がっています。
デンマークの医薬品大手の発表によれば、同社が展開する減量薬は2024年の世界売上高が約为582.06億デンマーククローネ(約1兆2200億円、1クローネ約21円)に達し、中国市場でも年間売上が約1.96億デンマーククローネ(約41億円)だったと報告されています。
中国の国内企業も負けてはいません。複数の中国製薬会社が次々と新薬を開発し、臨床試験も活発に進められています。
薬品だけでなく、オンライン診療やAIを活用した個別の健康管理サービスも登場しています。
大手ECが運営するインターネット病院では、ダイエット専門の診療窓口を設けたり、適切に薬を投与されるための検査パッケージを提供するなど、デジタル技術を駆使した体重管理の仕組みが整いつつあります。
こうした取り組みから見えてくるのは、肥満が中国でも深刻な健康問題になっており、単なる個人健康管理型のダイエットではなく、医療やテクノロジーも組み合わせた社会全体でダイエットをサポートする体制が整えられつつあることです。。
日本でも肥満や生活習慣病に関する課題が共通しているため、中国のこうした取り組みは参考になるかもしれません。