中国の年越し商戦は、ペット向けの特別なごちそうや美容サービスまで広がっています。
『北京商報』の報道によると、2025年の春節(旧正月)を前に、ペット向けの年夜飯や美容サービスの価格が大幅に上昇し、一部の店舗では非会員価格が50~100%も値上がりしたとのことです。
春節の雰囲気はペット市場にも広がり、一部のペットフード専門店では特別な「年越しセット」が登場しました。
価格は20元(約400円、1元20円)~300元(約6000円)と幅広く、高級なものでは、前菜・主菜・スープ・デザートまでそろった「豪華コース」が提供されています。
使用される食材も、牛肉や鶏肉だけでなく、アワビ、タラ、サーモンなどの高級食材も含まれており、人間が食べるご馳走にも匹敵する内容です。
このような高級ペットフードは「人食級」として宣伝され、人間でも食べられる品質を売りにしています。
しかし、専門家によると、「人食級」が必ずしもペットにとって最適な栄養バランスとは限らず、マーケティング要素が強いとの指摘もあります。
ペットのシャンプーや美容サービスも、一部の店舗では春節前の繁忙期には大幅な値上げが実施されています。
例えば「ペットの家(寵物家)」というアプリでは小型犬の美容ケアの価格が2024年8月の169元(約3400円)から現在の219元(約4400円)へと30%近く上昇しています。
さらに、一部の店舗では会員と非会員で料金が異なり、非会員の料金は最大100%の値上げが行われるケースもあるようです。
また、ペット預かりや訪問ケアの料金も急騰。あるペットシッターサービスでは、1月28日~2月4日の間に訪問サービスの料金が通常の70元(約1400円)から90元(約1800円)に引き上げられました。
『2025年中国ペット業界白書』によると、2024年のペット経済市場は3000億元(約6兆円)を超え、小さい町の犬猫市場も7.5%成長しました。
市場が拡大する一方で、専門人材の不足や価格の不透明さが問題視されています。特にペット向けの高級食品やサービスは価格が不安定で、消費者の不満も増えているようです。
専門家は、「春節の特需で値上げするのは理解できるが、行き過ぎた価格設定は消費者離れを招く」と指摘し、適正価格でのサービス提供や事前の料金告知が重要だと述べています。
中国のペット市場は、今後ますます高級志向や差別化が進むと考えられますが、同時に価格設定の透明性や規制の強化が求められるでしょう。