中国のコーヒー市場が急成長しています。
『北京日報』によると、2024年に発表された「中国コーヒー産業レポート」では、2023年の輸入量が15万トン、輸入額が約60億元(約1290億円、1元=21.5円)に達したと報告されました。輸入量は前年比で20%以上増加しており、国内の需要拡大が顕著です。
国内生産は主に雲南省が担っていますが、年間約10万トンの生産量では、急速に拡大する需要を十分にまかなうには至っていません。
市場の中心はインスタントコーヒーからレギュラーコーヒー(抽出タイプ)へとシフトしています。レギュラーコーヒーの市場規模は1200億元(約2兆5800億円)を超え、中国全体のコーヒー市場規模1500億元(約3兆2250億円)の約80%を占めています。
現在、コーヒーの消費形態は多様化しており、専門店や独立系カフェだけでなく、ファストフード店、コンビニ、自動販売機でも挽きたてのレギュラーコーヒーを楽しめるようになっています。このように、多様な消費シーンが急速に広がっています。
都市別では、上海、広州、北京、成都、深センがカフェ店舗数でトップ5を占めていますが、地方都市でも浸透率が着実に上昇しています。
瑞幸珈琲(ラッキンコーヒー、Luckin Coffee)が市場をリードしており、スターバックスをはじめとする他ブランドも積極的に店舗を拡大しています。こうした企業間の競争が激化する中、中国のコーヒー文化はさらに成熟していくでしょう。
一方で、中国の一人当たりコーヒー消費量は日本や韓国、欧米諸国と比べて依然として低い水準にあります。これは市場拡大の余地を示す一方、競争の激化やコスト上昇といった課題も浮き彫りにしています。
それでも、コーヒーの刺激効果や風味の多様性が消費者を引きつけており、飲用習慣が急速に根付きつつあります。企業や投資家からの関心も高く、今後さらなる市場拡大が期待されます。