江西省贛州市の上猶県では、少子化対策として第二子および第三子を持つ家庭を支援するための新たな政策が発表されました。
この施策には、産休の延長や出産奨励金の支給、託児所や医療費の補助など、幅広い支援が含まれており、地域全体で子どもを育てる環境を整えることを目的としています。
まず、出産に対する支援として、国家機関や事業体に勤める職員が第二子または第三子を出産した場合、通常の188日間の産休に30日が追加され、218日間の産休が与えられます。
産休期間中、給与や福利厚生も継続されるため、経済的な不安を軽減できます。また、民間企業でも同様の措置を取ることが推奨されています。
さらに、出産後の家庭には、第二子に対して7000元(約14万7000円)、第三子に対して13000元(約27万3000円)の一時金が支給されます。一時金の支給は子どもが県内で戸籍登録されることが条件となっており、定住促進も図られています。
医療面でのサポートも充実しています。公立病院での妊娠中の健康診断や出産時の特別病室利用時の病床費用が免除されるほか、第三子の健康管理も6歳まで毎年一回無料で健康診断を受けられるようになっています。
視力検査や血液検査など、子どもの健康維持に役立つサービスが無料で提供されるのは、親にとって非常に安心できるポイントです。
託児所や教育の分野でも、0歳から3歳までの子どもが公立や認可された民間の託児施設に通う場合、第二子には毎月300元(約6300円)、第三子には毎月500元(約1万500円)が補助されます。
また、第三子が公立幼稚園に通う場合は保育料が免除され、小学校に進学した後も課後活動費が免除されるなど、教育に関する経済的な負担が軽減されます。
住宅購入に関しても、第二子または第三子が誕生してから3年以内に県内で新築住宅を購入した場合、それぞれ10000元(約21万円)、20000元(約42万円)の補助が支給されるという支援策があります。このような住宅購入支援は、上猶県での定住を促進し、地域の人口増加を目指すものです。
観光や交通の分野でも特典があります。第三子を持つ家庭は、観光施設の無料パスや、圏内のバスを無料で利用できるカードが発行され、これらの特典が3年間有効となります。
今回の施策は、江西省の他の地域にも広がる可能性があり、地方自治体としての先進的な取り組みです。中国全体で進む少子化の中で、このような具体的な支援策がどれほど効果を発揮するかが注目されます。
上猶県の人口バランスを取るための試みは、今後他の地域でも参考にされるかもしれません。少子化対策として、このような経済的支援がどの程度、出産へのハードルを下げることができるのかが今後の焦点となりそうです。
参考:一地出台政策,生育二孩、三孩有这些福利!