中国では女性が配達員やネット配車(ライドシェア)サービスのドライバーとして働くケースが増えています。
これまで男性が多かった職業ですが、女性もこの仕事を選ぶ主な理由として、収入面や働く時間の自由などが挙げています。
例えば、北京市で6年間デリバリーの仕事をしている35歳の趙さんは、以前は飲食店で働いていました。
当時の月収は2000〜3000元(約4万円〜6万円、1元=約20円)でしたが、自由に働けることと収入を増やしたいという思いから、2018年に配達員に転職しました。
今では月に9000元(約18万円)ほど稼げるようになり、以前の約3倍の収入を得ています。さらに、仕事の時間が自分で調整できるので、配達が少ない時間帯に家事もしっかりこなせると話しています。
もう1人の例は、1977年生まれの王さんです。彼女は以前、個人商店を経営していましたが、家庭との両立を考えてライドシェアのドライバーに転職しました。
初めは月収が1万5000元(約30万円)以上ありましたが、最近は競争が激しくなり、7000〜8000元(約14万〜16万円)ほどに減っているそうです。それでも、家族との時間を大事にできるので、この仕事に満足していると言います。
しかし、こうした仕事は体力を使ううえに、長時間働かなければならないこともあります。女性にとっては楽な仕事ではありません。
一方、女性ならではの丁寧なサービスが評価され、顧客から高い評価を得やすいというメリットがあります。
例えば、運転中の注意深さや丁寧な対応が、利用者の満足度向上につながっているようです。中国ライドシェア最大手の滴滴出行(ディディ)は、配車時に女性運転手であることを分かりやすくするようなサービスもあります。
ただし、競争が激しくなってきており、以前と比べて女性ライダーとドライバーたちも収入が減ってきました。
それでも時間の自由が利く仕事であることや、家庭とのバランスを保ちやすいことから、今後も女性の活躍が期待されています。