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ニワトリがいなくても農村?中国農村の都市化と伝統維持のバランス

中国では農村の環境整備が進められていますが、その手法に対して多くの議論が巻き起こっているようです。

『新華網』によると、「ニワトリの鳴き声が聞こえない、それはまだ農村ですか?」といった声がSNSで大きな反響を呼んでいます。

この背景には、一部の農村で伝統的な生活が失われつつという現状があるようです。

例えば、「祖母が住んでいる村ではニワトリを飼うことが禁止されている」や「帰省した際に鶏舎が取り壊されていた」という具体例が報告されています。

また、観光客も「特色を求めて訪れたが、食事や宿泊には新しさがなく、見た景色もすべて同じだった」と不満をこぼしています。こうした意見は農村の個性や伝統が失われていることを感じさせます。

農村の環境整備の問題点として、「千村一面」と呼ばれる現象があります。これは農村の実情を考慮せず、都市の基準をそのまま適用することで、すべての村が同じような景観になってしまうことを指しています。

住民の意見を無視して決定を行うことで、農村の風情が失われ、住民からの反感を買うことになるケースも少なくありません。

「家畜が繁殖し、鶏や犬の声が聞こえ、農産物が豊かにある」ことは、多くの中国人にとって理想の農村景色です。農村の環境整備は、地域の特色を尊重する形で進めれば、農村の風貌や生活感を保ちながら、持続可能な開発を目指すせるかもしれません。

一方、農村の環境整備が観光の誘致に繋がるチャンスとなることもあり得ます。例えば、農村観光を発展させる際に、地域ごとの独自の文化や伝統を前面に出すことで、観光客に新しい体験を提供することが可能でしょう。

日本では地域の特産品や文化を活かした「道の駅」や「観光農園」などが成功しており、地域住民の収入増加と地域活性化に寄与しています。このような取り組みは、中国の農村にも応用できるかもしれません。

参考:农村人居环境整治岂能“千村一面”

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