中国を知るが目的地!あなたを中国へご案内

中国飲料市場で「カップ氷」ブーム!若者らに支持される理由とは

この夏「カップ氷」が中国の若者の間で大きな人気を博しています。

カップ氷とは、蓋付きの密封プラスチックカップに食用氷や球体の氷を詰めたもので、開封するだけで好きな飲料を加えて楽しむことができます。アイスコーヒー、アイスティー、ジュースのほか、自分だけのカクテルを作ることもできます。

中国ではこのカップ氷市場には大手を含め多くの企業が参入しています。

例えば、2020年に設立された「氷力達」や「氷極限」などの製氷ブランドがあります。また、「ローソン」や「セブンイレブン」などのコンビニも自社ブランドのカップ氷を展開しています。

さらに、アイスクリームブランドの「奥雪」や飲料メーカー大手「農夫山泉」も参入し、カップ氷市場を活気づけています。

「農夫山泉」は2023年にカップ氷の特許を取得し、「小紅書」プラットフォームでのマーケティングを開始しました。現在、同社のカップ氷はコンビニなどで販売されており、「レモンカップ氷」が6.5元(約137円、1元=21円)、「プレーンカップ氷」が4.4元(約92円)で販売されています。

「農夫山泉」はカップ氷で自社の飲料の売上増を狙っています。

一方、飲料チェーン店「蜜雪氷城(MIXUE)」は1元(約21円)でカップ氷を提供し、低価格で市場獲得を目指しています。

しかしながら、「蜜雪氷城」のカップ氷は加盟店の負担増ともなっており、飲料の販売とも競争するため一部の店舗では販売を拒否しているため、戦略の持続性には疑問が残ります。

中国でのカップ氷人気の理由は3つあります。

1つ目は消費者のアイスドリンクへの需要が高まっていることです。また、消費者がコストパフォーマンスを重視し、手軽に自宅でDIYドリンクを楽しむようになってきたことがあります。さらに、カップ氷を利用して自作した多種多様な飲み物をSNSにアップできることも若者に支持されている理由の一つです。

韓国や日本では、カップ氷の市場はすでに成熟しており、韓国の三大コンビニエンスストアでは最も売れている商品となっています。日本でも年間25.7億杯が販売されており、ボトルウォーターの売上を上回っています。

中国のカップ氷市場も成長が期待されています。2026年までに中国の氷商品の市場規模は630億元(約1兆3230億円)に達すると予測されています。今夏のカップ氷ブームは、この成長の一環と考えられます。

カップ氷は今後も注目される商品であり、消費者のニーズに合わせた多種多様な商品開発されていくでしょう。どのような展開になるかが楽しみです。

参考:冰杯,只相“旺”于盛夏-36氪

SNSでフォローする