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現実離れしたストーリーはダメ?中国ドラマ業界の規制

中国で人気を集めていた「覇道総裁」をテーマとする短編ドラマが、今後大きな変化を迎えるかもしれません。

中国の国家広電総局(広電総局)から待ったがかかりました。「豪華で現実離れしたストーリー」が多いこのジャンルに対し、厳しい規制が発表されました。

「覇道総裁」のドラマは、超お金持ちでイケメンな社長(総裁)が主人公の恋愛ストーリーが多く、彼が突然、貧乏だけど心優しい女性に恋をして、困難を乗り越えて愛を実らせる、という内容が一般的です。

「お城みたいな豪邸」「高級車」「大金をポンとプレゼント」など、キラキラしたシーンが満載。そして家族内部手段を問わない財産争いもストーリーを引き立て役としています。

ドラマを観るだけで夢の世界にトリップできると評判で、今では短編ドラマ界隈が「覇道総裁」ばかりになりました。

広電総局は、こうした作品が現実離れしすぎており、若い人たちや一般市民の価値観に悪影響を与える可能性を懸念しています。

広電総局は以下のポイントに着目して規制を強化するとのことです。

  1. 現実に基づくストーリーを推奨
    • ドラマはもっと「実在する企業家のストーリー」を描くべきとのこと。例えば、苦労を重ねて成功した社長の話や、社会に貢献した人物に焦点を当てるべきとしています。
  2. 「一攫千金」の夢を見せすぎない
    • 「一夜で億万長者」みたいな話はダメ。視聴者に「努力や現実的な目標が大事」という価値観を持たせるように誘導します。
  3. タイトルから「覇道総裁」排除!
    • 視聴者の目を引くためだけに「覇道総裁」や類似する言葉を使うことも禁止されます。

「そんな堅苦しいこと言わないで!」と思うかもしれませんが、広電総局が心配しているのは、過度に金銭や権力を美化した内容が「企業家はこういう人たち」という誤解を生むこと。そして、若い世代が「楽して大金を手にするのが正しい」と考えてしまうことです。

規制には賛否両論があり、「ドラマはあくまで娯楽、真剣に受け取る人はいない」と反論する声もあります。

これからは「覇道総裁」の代わりに、どんなドラマが主流になるのでしょうか?今後の動向が気になるところです。視聴者が楽しめて、同時にためになる作品が増えることを期待したいですね。

参考:广电总局出手整治“霸总”微短剧 防止通过拜金、炫富等制造爽点

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