中国西北部の寧夏回族自治区が、独自の経済発展を遂げているようです。
『新華毎日電訊』によると、今年第3四半期までの地域総生産は3860億元(約8兆2900億円、1元=21.5円)を記録し、前年比4.9%増加しました。この成績は全国平均を上回るもので、主要経済指標の多くがトップクラスに位置しているとのことです。
こうした好調な経済状況の背景には、「新たな産業構造」「環境に優しいエネルギー」「輸出拡大」の3つの要因があると言われています。
寧夏は伝統的な産業の変革を進めています。例えば、銀川市にある寧夏共享グループは、3Dプリント技術を導入した鋳造工場を展開。従来の「重労働・汚い作業」から、「高精度・清潔」な生産に移行しました。3Dプリントを用いた先端機器製造で産業競争力を高めています。
同紙によれば、寧夏の工業付加価値は1500億元(約3兆2200億円)を超え、今年の新興通信事業の収入も28%増加したそうです。
観光業も新しい活力を見せています。『新華毎日電訊』の報道では、高級宿泊施設や新しい観光体験が次々と登場しているとのことです。
今年の9月月までには6850万人の観光客を迎え、観光収入は610億元(約1兆3100億円)に達しました。この地域では「ワイン+観光」や「砂漠+リゾート」など、独自のテーマが人気を集めています。
また、寧夏は再生可能エネルギーの導入を積極的に進めています。同紙の報道によれば、国内初の廃坑でできた湖を活用した水上ソーラーパネル施設は、累計5600万kWhの電力を供給し、環境保護と経済発展の良い例となっています。寧夏は国内有数の太陽光発電基地として知られています。
さらに、寧夏特産の野菜やワインは、国際市場で高い評価を受けています。同紙によると、特に冷涼気候で栽培される農産物は、品質の高さからドバイや欧州市場への輸出が拡大しているそうです。
商品を国内外に運送する交通網も経済発展を支えているようです。例えば、新鮮な野菜を運ぶための専用航空機、国際列車などを整備しつつあります。
寧夏は、地域特性を活かしながら新たな産業や再生可能エネルギーを活用し、経済成長を遂げています。地域経済の発展にとって参考になるでしょう。