中国の海岸都市である山東省乳山市において、「11元(約240円、1元=約21.5円)でオーシャンビューの42平方メートルの住宅が落札された」というニュースが注目を集めています。
11月12日にこの物件の所有権移転が完了し、420元(約9000円)の手続にかかる費用はオークション会社が負担したと『紅星新聞』が報じています。
この不動産はインターネットのオークションで販売され、スタート価格が1元、最終的にオークション会社が設定した最高価格の11元で落札されました。
オークションを担当した企業は、この低価格オークションを「広告費のようなもの」と説明しています。同社の代表によると、3800人以上の参加登録がありましたが、「本来はもっと多くの関心を集めたかった」とも語っています。
この試みを通して企業への注目が集まることを期待しており、他の地域で同様のキャンペーンを行う可能性もあるとのことです。
乳山市のこの地域は、もともと観光開発が進められていたエリアで、一時期は人気が高く住宅価格が上昇しました。一時的には1平方当たり10,000元(約220,000円)まで跳ね上がったこともありました。
しかし、近年の不動産市場の冷え込みにより、築年数の経った物件が多く残っています。地元の不動産業者によれば、5万元以下で購入できる物件も少なくなく、主に中高年層がセカンドハウスやリタイアメントホームとして購入するケースが多いとされています。
このような低価格物件の背景には、夏季のみ滞在する人が多く、オフシーズンになると入居率が低下するという現状があるようです。
住宅自体の需要は一時的に増減するものの、乳山の物件の価格は、同エリアの中でも継続的に低い水準にとどまっています。
このニュースは、中国の不動産市場の変動や地方の再開発戦略にも関心を寄せる機会となります。
地方の不動産が低い価格でオークションに出して、人々の関心を引き寄せる手法は、中国人の多くは住宅に関する関心が高いという背景にあると思われます。
どれほどの広告効果があるかはまだ未知でありますが、現地への人々の関心も高める効果があるでしょう。購入希望者の裾野を広げ、不動産を購入する機会を広がるかもしれません。