中国のコーヒー市場で熾烈な競争が繰り広げられています。
中国コーヒーチェーン大手の「ラッキンコーヒー(Luckin Coffee、瑞幸咖啡)」は、最近の決算発表で目覚ましい成長を見せました。
2024年第2四半期における同社の売上は、84.03億元(約1765億円、1元=21円)に達し、過去最高を記録しました。これにより、ラッキンは8.71億元(約183億円)の純利益を達成し、前四半期の赤字から黒字に転換しました。
ラッキンのCEOである郭謹一氏は、「製品の革新と顧客への還元を通じて市場のリーダーシップを強化し、長期的な価値を創造していく」と述べています。
同社は戦略的に店舗数を増やしており、すでに1万9961店舗に達しています。内訳は直営店が1万3056店舗、フランチャイズ店が6905店舗を占めています。ラッキンコーヒーの成長は、店舗数の拡大とともに、特に商業施設や街角の店舗が大きく寄与しているようです。
ラッキンコーヒーの戦略も価格競争から新製品の開発の店舗の立地の改善にシフトしており、これが利益に繋がっていると言われています。
一方、米国のコーヒーチェーン大手「スターバックス」も中国市場での競争に挑んでいますが、2024年の第3四半期の売上は7億3380万ドル(約1100億円、1ドルは150円)で前年同期比11%減少しました。
特に中国市場では、売上が14%減少し取引量も7%減少しています。スターバックスのCEOであるナースハン氏は、「過去1年間、競合他社の急速な拡張と価格戦争により、経営環境に大きな支障が生じた」とコメントしています。
ラッキンコーヒーは効率的なコスト削減と運営の最適化を実施し、特に第2四半期には季節要因もあり売上が大幅に増加しました。
低カフェインや午後のティータイムに適した商品が消費者の幅広い支持を受けています。また、ラッキンコーヒーは商業施設や街角の店舗を増やして、多くの顧客にリーチすることで市場シェアを拡大しています。
対照的に、スターバックスは価格戦争を避け、高級志向のブランド戦略を維持しています。しかし、その結果、支出を控える消費者が減少して、同社の市場シェアは縮小しました。
これからも、中国のコーヒー市場は成長の余地が大きいと考えられます。ラッキンコーヒーは店舗拡張と製品革新を続けることで、さらなる成長を目指しています。
一方、スターバックスも戦略的パートナーシップを通じて市場の競争力を強化しようとしています。今後、両者の競争がどのように展開していくのかが注目されます。
参考:瑞幸步步紧逼-36氪