中国のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)が、低価格の「K COFFEE」ブランドでコーヒー市場に本格的に参戦しました。
『36Kr』によると、KFCは9.9元(約210円、1元は21.5円)という低価格でコーヒーを提供し、市場を席巻しています。
浙江省の杭州東駅のK COFFEEの店舗では、宣伝効果もありオープン初日から多くの人々で賑わい、午後2時から3時までの1時間の間に、60杯も売り上げていたそうです。
この店舗では様々なコーヒーが提供されていますが、店内でQRコードをスキャンすることで9.9元の割引クーポンが利用できます。
さらに、店内では月額8.8元(約190円)の会員カードも販売されており、これを購入すると5元(約108円)でカプチーノなどが買えるなどの特典が受けられます。
中国のコーヒー市場は急速に成長しており、2022年のデータによれば市場規模は年間20%以上の成長率を記録しています。2025年には市場規模が3693億元(約7兆9400億円)に達すると予測されています。
このような市場環境の中、中国のケンタッキーは1日1店舗という驚異的なペースでK COFFEEの新店舗をオープンさせており、すでに全国で200店舗以上を展開しています。
このようなスピードで新店舗を開けられのは、ケンタッキーのブランド力と全国に広がる店舗ネットワークが大きく関係していると言えるでしょう。ケンタッキーは中国で10000店舗以上を展開しており、そのネットワークを活用することで、低コストで迅速に新しいコーヒー店舗をオープンさせています。
しかしながら、低価格戦略が長期的に成功するかは不透明です。ラッキンコーヒー(Luckin Coffee)やスターバックスといった競合他社との価格競争は激化しており、K COFFEEがどれだけの顧客を獲得できるか、低価格で利益率を確保できるのかが焦点となるでしょう。
日本ではコーヒーチェーンはスターバックスやドトールコーヒーなどが主流であり、価格は中国より高めです。例えば、スターバックスのラテは約450円前後で提供されています。日本のコンビニエンスストアは低価格でコーヒーを提供していますが、チェーン店が本格的に低価格戦略を展開するケースは少ないといえるでしょう。
K COFFEEは、価格競争の激しい中国市場でシェアを拡大し、競争力を高めることが求められています。その一方で、品質を維持しつつ利益も確保できるのかが注目されます。