中国・雲南省といえば美しい自然や多様な民族文化で知られていますが、近年注目されているのが「コーヒー」です。
『新華網』によると、「雲南省は中国で最もコーヒーの栽培面積が広い地域で、2024年末時点で栽培面積は120万畝(約8万平方キロメートル)、生産量は14万トンを超え、いずれも中国全体の98%以上を占めている」とのことです。
雲南省のコーヒーは、単なる「量」だけでなく、「質」にもこだわってます。「雲南コーヒーの品質向上が進み、精密加工や高級品種の比率も上がってきている」とし、いくつもの競争力のある地元ブランドも登場しているそうです。
特に目を引くのが輸出の伸びです。2024年、雲南省の昆明税関の統計によると「雲南省からのコーヒー輸出量は3.25万トン(コーヒー産量の約20%)で、前年比358%増加した」と伝えられています。
主な輸出先はオランダ、ドイツ、アメリカ、ベトナムなど29の国と地域に広がっており、「濃厚でありながら苦みが少なく、香り豊かで、ほんのり果実の酸味がある」と評価され、世界中の味覚を魅了しているようです。
また、ユニークな取り組みとして「中国初のコーヒー専門の学部」が雲南農業大学に誕生しており、「コーヒーを飲んで学士の学位を取る」という表現がネットでも話題になっているようです。
観光面でも「種子からカップまで」を体験できる「コーヒーツーリズム」が進められ、「コーヒー農園や工場、テーマストリート、個性的なカフェが立ち並び、訪れる人に多様な楽しみ方を提供している」と紹介されています。
このように、雲南省のコーヒー産業は農業、輸出、教育、観光を巻き込みながら、多方面にわたって成長を続けています。その背景には、標高の高い地形、温暖な気候といった自然条件の恵みがあります。
日本ではコーヒーといえば中南米産のイメージが強いかもしれませんが、今後は「雲南産」という選択肢もメジャーになっていくかもしれません。ユニークな体験を重視する旅行者にとって、雲南省の「カフェ文化」は新しい魅力の一つになりそうです。