中国の子どもたちの間で「小馬カード(中国語:小马卡)」と呼ばれるトレーディングカードが流行しています。
このカードゲームは、アメリカの人気キャラクター「マイリトルポニー(My Little Pony)」をテーマにしたトレーディングカードで、異なるランクや希少性が特徴です。
特に希少なカードは高額で取引されることがあり、一部では10万元(約210万円、1元=21円)以上の値がつくこともあるとのことです。
『新華毎日電訊』によると、「小馬カード」は、子どもたちの間で「新しい社交通貨」としての役割を果たしているそうです。子どもたちは、カードを集めたり交換したりする中で、友人との交流を深めています。
しかし一方で、一部の教師や親からは「軽いギャンブル」に似ていると問題視されており、子どもたちの競争心を過度に刺激する点に懸念が寄せられています。
このようなトレーディングカードの流行は、現代の子どもたちが置かれている社交環境の制約を浮き彫りにしています。
記事では、多くの学生が家と学校を往復する生活に縛られ、屋外で遊ぶ時間が減少している現状が指摘されています。
その結果、子どもたちは自宅や学校内で手軽に楽しめる「小馬カード」のような遊びを社交の手段として活用しているようです。
中国では、こうした問題を背景に、子どもたちの健全な成長を支えるべく、放課後の時間を使った課外活動が奨励されています。また、一部の学校では休憩時間を15分に延長し、子どもたちにより多くの交流機会を提供しています。
さらに、青少年の心理的健康を支えるための取り組みも拡大しており、プロのカウンセラーや心理サポートプログラムの導入が進んでいます。
とはいえ、子どもたちが屋外で自由に遊んで、自然に友達を作っていくのは本来あるべき姿でしょう。
学校が主導して多彩な課外活動を企画したり、家族が積極的に子どもたちを外に連れ出したりすることが求められます。また、地域社会全体で子どもたちが安心して遊べる環境を整える必要があります。
日本でも、ポケモンカードなどの収集型ゲームが人気を集めていますが、一方で公園や地域イベントが子どもたちの社交場として機能している例も多く見られます。
子どもたちがデジタルゲームやカードに偏りすぎることなく、自然の中で友人と触れ合い、多様な体験を通じて成長できる環境を作ることが、教育関係者や親にとって大きな課題と言えます。