中国の教育部は、2025年に大学を卒業する学生数が前年比43万人増の約1222万人に達する見込みであることを発表しました。
この膨大な数の卒業生に対し、政府は雇用支援と起業支援を強化していますが、十分な受け皿が確保できるかが大きな課題です。
『中央広播電視総台』によると、教育部と人力資源社会保障部は「2025年卒業生就業・創業支援体制」を打ち出し、全国の大学で就職支援のための仕組みを整えています。
具体的には、大学が社会のニーズに応じた人材育成を行うため、全国の大学で卒業生の就職市場に関する調査を実施し、各業界の人材需要を見極め、それに応じて専門分野の教育を強化する取り組みが進められています。
各大学では学科や入学定員を調整し、学生が市場に即したスキルを身につけられるようにしています。
また、政府の就職支援政策を全国の大学や工業団地、企業に周知し、就職に関わる全ての主体が政策を良い働きができるようにと図っています。
特に大学と潜在の発展能力ある中小企業の連携を強化し、雇用機会を積極的に活用することで、地域経済の活性化と雇用促進を目指しています。
学生一人ひとりに対するキャリア教育と就職指導も強化されています。特に困難を抱える学生には一対一の支援が行われ、安定した職場に導けるよう努められています。
また、違法な求人や悪質な内定取り消しといったリスクを回避するために、求職活動における安全指導も実施されています。これにより卒業生が安心して就職活動を行える環境が整いつつあります。
しかし、中国の就職市場には依然として厳しい競争が存在しています。新興産業やIT分野では労働需要が急成長している一方、急激な卒業生の増加に対応できるような教育や就職支援の体制が完全には整っていないのが現状です。
1222万人もの新卒者があふれる中、政府の支援がどこまで機能するかが今後の焦点となりそうです。