2024年の中秋節が終わった後も、中国では月餅についての話題は続いています。
『北京晩報』によると、「月餅が売れない」という報道が一時的に注目を集めましたが、実際には、オンラインショップでの月餅の販売や、昔からある人気ブランドの月餅は前年に比べて売り上げが伸びているそうです。
また、山西省の「空心月餅」や新疆ウイグル自治区の「奶皮子月餅」など、地方の特色ある月餅がネットで話題になっているとのことです。
一部の月餅販売業者が売り上げの減少を感じているのは、消費者のニーズが変わってきているが原因みたいです。
以前は、高価な包装や贅沢な材料を使った月餅が流行っていましたが、今はシンプルでおいしい月餅が人気です。
中国の業界団体によると、今年の月餅ギフトボックスの価格帯は70元(約1400円、1元=20円)から220元(約4400円)に集中していて、500元(約1万円)を超える高級な月餅ギフトはあまり見かけなくなっています。
消費者の中には「以前は珍しい味の月餅を試してみたけれど、今年はやっぱり伝統的な味を選んだ」という声もあります。
消費者が今求めているのは、豪華包装や高価な月餅ではなく、質の良い、おいしい月餅です。
一方、地方ならではの月餅や、コラボ商品の月餅も人気になっています。稻香村はゲーム「黒神話・悟空」とコラボした月餅、松鶴楼が蘇州博物館と提携した月餅などが多くの人に支持されています。
さらに、健康を意識した無糖月餅や、漢方薬を使った月餅も注目されています。
中国の月餅市場では、無駄を省いて、質の良さを重視する流れが強まっています。地域の特色や文化をうまく取り入れることで、月餅は再び消費者の心をつかんでいます。
月餅はただの贈り物としてではなく、伝統文化や美味しい食べ物として見直されており、今後も変わる消費者ニーズに応じて成長する余地があるでしょう。