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禁止か?許可か?「タバコカード」で揺れる中国の小学校

中国の小学校で「タバコカード(中国語:烟卡)」と呼ばれるタバコの箱で作ったカードゲームが話題になっています。

子供たちはこれを集めたり対戦したりして楽しんでいますが、この遊びが子供たちの健康や教育環境に与える影響から、多くの学校で許可するべきか禁止するべきかで議論が巻き起こっています。

『界面新聞』によると、湖南省の各小学校では「タバコカード」禁止運動が始まっています。

この禁止運動は、学校の教師たちがタバコの危険性やタバコカードの遊びがギャンブル性を含んでいることを親や子供に説明することで進められています。

しかし、各校で結果は異なり、完全に禁止できている学校もあれば、依然として遊び続けられている学校もあるようです。

ある小学校では、タバコカード禁止が難航しています。生徒だけでなく一部の保護者もタバコカードの収集を手伝っているため、教師たちの警告はあまり効果がありません。

学校の教師たちは「家族の協力が得られなければ、タバコカードの禁止はほぼ不可能だ」と述べています。保護者の多くは、この遊びを「無料の娯楽」と見なしており、家庭の経済状況から高価なカードゲームが買えない子供たちにとって、唯一の娯楽となっているのが現実です。

一方で、一部の学校ではタバコカードを教育の一環として許可する案も出ているようです。

例えば、タバコカードを集めることで子供たちの社交スキルや戦略的思考を育む側面があるとの意見もあり、完全な禁止ではなく、ルールを設けて管理されたなかで遊ぶように提案する声もあります。

しかし、健康に有害なタバコの箱をオモチャにすること自体が教育的に問題だとする批判も強く、議論は収束していないようです。

タバコカードの問題は、単に子供たちの遊びとして片付けられるものではなく、家庭の経済状況や教育方針、地域社会の文化背景が密接に関わっています。

学校としては、子供たちに健康的な遊びを提供する責任がある一方で、子供たちの社交の場を奪ってしまうことへの懸念もあります。禁止と許可の間で揺れるこの問題について、簡単に解決策を見つけられそうにはありません。

技術が日々進歩するこの社会では、子供たちの遊び場が段々と乏しくなっていくという不思議な現象が起きています。

パソコンやスマホでのゲームは多くの子供にとって唯一の遊びだと認識されています。つまり、遊びするのにお金が掛かるという現実があります。

経済状況に恵まれない家庭の子供は、遊び場が失われると同時に、子供同志での話題も少なくなってしまいます。

今後、学校や地域社会が協力し、子供たちにとって安全かつ健全な遊びの場を提供できるかどうかが重要な課題となるでしょう。

参考:烟卡,小学生的“权游”

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