中国の民政部(日本の総務省に相当)が発表した『2023年民政事業発展統計公報』によると、2023年に中国全土で結婚したカップルは768万超えとなり、前年より12.4%増えました。婚姻数の増加は過去10年間で初めてです。
専門家の話によると、2023年の結婚の増加はコロナの影響が大きいとされています。特に、2022年はパンデミックの影響で結婚を延期したカップルが多く、2023年にその反動で結婚する人が増えたそうです。
中国ではコロナによる移動制限や結婚式の自粛が相次いだため、多くのカップルが結婚のタイミングをずらしていましたが、2023年にコロナの制限がなくなり、一気に式を挙げたケースが多かったようです。
年齢別では、25~29歳のカップルが最も多く、全体の38%を占めています。この年齢層が一番多いのは11年連続です。次に多いのは20~24歳の13.8%、そして30~34歳が21.1%となっています。
少子高齢化が進む中で、結婚を促進することも考えなければならないでしょう。中国では婚姻登記の手続きを簡単化する案が出ています。
これまで結婚するには戸籍謄本を提出する必要があり、夫婦のどちらの戸籍所在地に結婚登録を行う必要がましたが、新しい改正案ではこれが不要になります。
改正案には戸籍謄本を提出する条件を撤廃することで、どこに住んでいても居住地で結婚手続きを進められます。
中国で戸籍は簡単に移動できるものではなく、戸籍地と居住地が違うケースも少なくありません。例えば、北京市政府の公表したデータによると、2023年に戸籍が北京にない北京住民は820万を超えており、全体の37.5%の割合を占めています。
行政の担当者は「戸籍書類の提出をなくすことで、より多くのカップルがスムーズに結婚できるようになり、戸籍所在地に戻って手続きの負担は減らされる」と説明しています。
戸籍書類の提出が必要なくなることで、カップルの多様なニーズに対応できるようになることも期待されています。例えば、一部のカップルのゆかりある場所で結婚手続きをしたいなら、戸籍地に戻らずとも好きな場所で手続ができるでしょう。
最近では、公園や観光地、ショッピングモール内に結婚の手続き窓口を設けるケースも増えており、こうした取り組みは、若い世代の結婚への意識をより前向きにし、これからの結婚事情に大きな影響を与えそうです。
これらの策がどれほど結婚の後押しとなるかは、将来の結婚統計データから垣間見えてくるでしょう。