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中国で結婚詐欺やスピード離婚が増加!最高裁が注意喚起

中国では近年、結婚に関するトラブルが社会問題となっています。

『新華社』が報じたところによると、中国最高人民法院(最高裁判所)は、いわゆる「結婚詐欺」や「スピード婚」といった4つの典型的な事例を2025年2月28日に公開しました。

高額な「彩礼(結納金)」を巡るトラブルや、婚姻を装って金銭を得ようとする行為に法的なメスが入れられてきているようです。

ある事例では、男性の趙さんが女性の孫さんと出会って1か月足らずで結婚しましたが、1年以内に離婚を申請することになりました。趙さんは「孫氏が結婚を財産目的に使っている」と主張しました。

調査の結果、孫さんは過去4年間に2度結婚しており、いずれも高額な彩礼を受け取り、短期間で離婚していたことが発覚。さらに、夫婦としての共同生活もなく、離婚理由の内容がいずれも似通っていたことから、裁判所は孫さんの行為を「結婚詐欺」と判断。婚姻関係の解消とともに、彩礼として支払われた8.6万元(約172万円、1元=20円)の全額返還を命じました。

また、交際中の金銭授受に関するトラブルも裁判に発展しています。

王さんと李さんのケースでは、李さんが主に金銭目的で王さんと連絡を取り、結婚の話になると「まずお金をくれ」と要求。金銭などの話以外の電話を全部拒否し、交際の間に王さんへの返礼は一切なかったといいます。

裁判所は、これは恋愛ではなく金銭目的での関係と判断し、李さんに対し交際期間中に受け取った金品など全額の返却を命じました。

「スピード婚」を促し、結婚相談所が起訴されたケースもあります。

ある結婚仲介業者は、スピード結婚できると宣伝し、林さんはサービス料金を支払った翌日には紹介された女性と婚姻手続きが行われました。しかし、1か月後には離婚調停に至りました。

林さんは支払ったサービス費用17万元(約340万円)の返金を求めて提訴。裁判所は結婚仲介業者の契約履行状況や林さん自身の責任も考慮し、15万元(約300万円)の返金を命じました。

別のケースでは、男性の呉さんが女性の劉さんに彩礼(結納金)を支払ったものの、結婚には至りませんでした。調査の結果、呉さんが不妊症という重大な事実を隠していたことが原因だったため、裁判所は両者の調停を促し、劉さんの返金額を減額する形で和解が成立しました。

結納金や結婚詐欺などに巡るトラブルが頻発する背景には、経済格差や結婚市場の変化もあると考えられます。こうした状況に対して、司法機関が具体的な判断を示すことで、個人の権利保護だけでなく、社会全体の価値観の転換も促していくのかもしれません。

2024年の統計によると、婚約財産を巡る訴訟は前年に比べて減少傾向にあるそうです。最高人民法院の担当者は、今後も事例の公開や啓発活動を通じて、もっと健全な婚姻関係を広めたいと述べています。

参考:涉及“婚骗”“闪婚”等 最高法发布第二批涉彩礼纠纷典型案例

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