中国国内初となる「コーヒー科学と工程」学科が、雲南農業大学に設立されています。
この学科は、コーヒー産業全体の発展を支えるために、理論から実践まで網羅する人材育成を目指しています。2024年には、全国11省から計100名の新入生が入学し、そのうち80名が雲南省出身です。
この学科は、コーヒーの生産から加工、流通までの全過程を包括的に学ぶことが特徴です。
特に、「コーヒー工場設計」や「世界コーヒー貿易学」などの理論科目に加え、雲南省の豊かなコーヒー産業を活用した実践的な技能実習が組み込まれています。
学生たちは雲南省の地域資源を活かして、現場で実践的なスキルを身に付けられる環境にあります。
雲南省は、中国のコーヒー生産の98%以上を占める国内最大の生産地でエチオピアに類似した気候条件が高品質なコーヒー豆の生産を支えています。
2023年には、同省のコーヒー生豆の年間生産量は11.4万トンを超えました。産業全体の総合産値は418億元(約8987億円、1元=21.5円)を超えています。
この学科の設立は、急成長する中国コーヒー市場を支える専門人材の育成に大きく貢献することが期待されています。学生たちは、地域産業の特性を学びながら、コーヒー製品の研究開発や加工技術の習得に取り組んでいます。
雲南農業大学の取り組みは、国内コーヒー市場の発展に的確な人材を提供し、コーヒー産業のさらなる進化を支えるだけでなく、国内外での雇用機会の創出にもつながると見られています。
参考:咖啡产业链人才何处来