中国コーヒーチェーン大手の「ラッキンコーヒー(瑞幸咖啡、Luckin Coffee)」は、新たな市場への挑戦を続けています。
『36氪』の報道によれば、中国のティードリンク市場は2023年に1498億元(約3兆円、1元=20円)に達し、2025年には2000億元(約4兆円)を超える見込みです。
このティードリンク市場の急成長を背景に、ラッキンコーヒーは「午前はコーヒー、午後はお茶」という新たな戦略を展開し、ティードリンク市場に進出しました。
2023年8月、ラッキンコーヒーはティードリンクの新商品を発売し、第1週で1100万杯を超えるヒットを飛ばしました。
また、有名女優をアンバサダーに起用し、購入者に9.9元(約200円)のティードリンクチケットをプレゼントするプロモーションも開始しました。
ラッキンコーヒーがティードリンク市場に進出する背景には、カフェ事業の成長が鈍化している現実もあります。
2024年第2四半期のレポートでは、ラッキンコーヒーの既存店売上高は約21%減少し、客単価も15元(約300円)から13元(約260円)に低下しているようです。
また、ティードリンク勢力との戦いも影響しているでしょう。ミルクティーブランド「蜜雪冰城(MIXUE)」は、2017年にコーヒーブランド「幸運珈(LuckyCup)」を立ち上げていますし、他のティードリンクブランドも次々とコーヒー製品を展開しています。
このような状況から、ラッキンコーヒーは新たな成長戦略としてティードリンク事業への進出を決断したのでしょう。ティードリンクを市場投入して存在感を強めようとしています。
ラッキンコーヒーは中国国内に2万店舗以上を展開していて、スケールメリットを活かして原材料コストを抑えていけるでしょう。
例えば、牛乳や茶葉といった主要な原材料を大手から安定供給できるかもしれません。また、店舗の自動化が進んでおり、少人数のスタッフで効率的に運営できところも大きな利点です。
日本のカフェ市場を考えてみると、コンビニエンスストアが展開するカフェサービスが強力な競争相手として存在しています。手軽に美味しいコーヒーやお茶が気軽に飲めます。
これに対して、中国のティードリンク市場では、ブランド力や話題性が重視され、ラッキンコーヒーのような積極的なプロモーションが消費者の関心を引いています。