中国の小学生の間で「タバコカード」と呼ばれる手作りカードゲームが人気を集めています。
タバコカードとはタバコの空き箱で作ったカードで、これを集めたり、これを使って勝負したりすることができます。一部の地域では子どもたちにとって大切な娯楽のひとつとなっています。
『36氪』の記事によると、「タバコカード」は主に湖南省や広西、海南などの地域で流行しており、子どもたちが自ら生み出した新たな遊びとして注目されています。
一部の学校では、「タバコカード」が子供に悪影響を与えるとして禁止する方向です。しかし、親たちの理解が得られず、なかなかうまくいかないのが現状のようです。
湖南省のある小学校では、先生が家を訪問して親にゲームの危険性を説明しても、「無料の娯楽だから問題ない」と親が協力を拒むケースが多いそうです。
特に、農村部や労働者家庭の子どもたちにとって、「タバコカード」は手軽でコストがかからないため、重宝されています。親たちもその危険性を理解しづらく、学校側が禁止しようとしても積極的に協力してくれないことが多いようです。
「タバコカード」は単なる遊びを超えて、子どもたちにとって重要な社交的な役割を果たしています。
例えば、ある小学生は、普段は目立たない存在でしたが、このゲームを通じてクラスメイトとのつながりを深め、仲間内での地位を得ました。「タバコカード」の世界ではリーダー的存在となり、他の生徒から一目置かれる存在になれたわけです。
こうした子どもたちは、勉強やスポーツでは得られない自己肯定感をこのゲームで得ています。
タバコの箱を使ったカードというただの変ったオモチャであっても、彼らにとっては仲間とつながるための大切な手段なのかもしれません。
「タバコカード」が流行している背景には、地方の子どもたちが限られた娯楽しか持っていないという現実があります。
都市部に比べ、地方の家庭では経済的な理由もあり、高価なカードゲームを買うことができず、身近な材料で作れる「タバコカード」が気軽にできる娯楽となり、学校での貴重なコミュニケーション手段でもあります。
とはいえ、材料はタバコの箱なので、子どもの健康への影響や歪んだ競争心が心配されます。
一方、タバコカードは子どもたちの間でしっかり市民権を得ており、いまや大切なコミュニケーション手段とまでなっているので、これを止めさせるには課題が少なくないようです。
参考:他只能玩烟卡-36氪