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友人の勧めたお酒が命取りに:裁判で問われる責任の重さ

中国の貴州省で起きた飲酒に関する裁判例を紹介します。

2023年4月15日、化さんは友人たちと飲酒を伴う食事に参加しましたが、翌朝に自宅で死亡しているのが発見されました。

この事件を受けて、化さんの家族は彼の友人らに対し約44万元(約880万円、1元=20円)の損害賠償を求める訴訟を起こしました。

報道によると、化さんは友人らと焼肉店で飲酒をし、帰宅後に死亡しました。裁判では、当日飲み会を主催した友人の陳さんと同席した李さんと馬さんが、化さんに対して飲酒を勧める行為があったことが判明しました。

化さんは高血圧などの飲酒が禁じられている持病を持ち、過度な飲酒により急性アルコール中毒を引き起こし、嘔吐物による窒息で死亡しました。

裁判では、化さんが自分の持病を知りながら飲酒を続けた点で、本人の過失が大きいとされ、死亡の主な責任は化さん自身にあると判断されました。

その結果、化さんの過失割合は80%とされ、友人ら3人には残りの20%の責任が課されました。賠償金額は25万元(約500万円)であり、これを3人で負担することになります。

なお、化さんを自宅まで送った友人の趙さんに対する責任は認められませんでした。趙さんは一緒に酒飲んでいましたが、化さんへ飲酒と勧めず、自宅まで送ったからとされています。

中国では友人同士の飲み会での飲酒を強要する文化が依然として根強く残っており、このような事件が発生しやすい背景にあると考えられます。

この判決は、中国における飲酒に対する法的責任の問題を浮き彫りにしています。日本でも飲酒による事故や健康被害が問題視されていますが、同様に飲酒に関する社会的な意識が問われるケースと言えます。自己責任の範囲と周囲の配慮のバランスをどう取るかが、今後の課題となりそうです。

参考:判了!应邀在烧烤店聚餐后醉酒身亡,死者家属起诉多名聚餐者索赔44万元

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